活動報告

藏内勇夫会長が福岡県議会の基調講演で講師を務めました

2020年09月08日 お知らせ

 今、世界では、人と動物の共通感染症(人獣共通感染症)である新型コロナウイルスが猛威を振るっていますが、近年、様々な人獣共通感染症が各地で相次いで流行し、今後も、再発や新たな感染症の発生・流行が危惧されています。私たちは、こうした感染症から人々の生命と健康を守り、その生活と経済への影響を最小とするための備えを充実・強化していかなければなりません。

 そこで、福岡県議会では、令和2年6月定例会において「人獣共通感染症への対応力の強化に関する決議」が議決され、この決議で宣言された「ワンヘルスの実践の仕組み」に関する条例制定の取組が始まりました。
 そのキック・オフイベントとして、令和2年7月22日、福岡県議会主催による講演会が開催され、公益社団法人日本獣医師会の会長でもある当会の藏内勇夫会長が「One Healthの歩みと展望」と題して基調講演を行いました。
 藏内会長は、日本の動物愛護のはじまりや、人獣共通感染症の歴史をひも解くとともに、感染症対策には人と動物の健康と環境の保全は密接に関連し合う一体のものであり、医学や獣医学の分野を超えて取り組まなければならないという「ワンヘルス」の理念の確立やその実践が重要であること、ウイルス対策には九州が一体となって対応していく必要があること等について、世界医師会と世界獣医師会の取組、日本医師会と日本獣医師会との連携を実現した自身の経験や様々なエピソードを交えて説明しました。
 また、当会は、2014年10月に公表した「九州の成長戦略に係る政策提言」の中で「アジア各国が共通して取り組むべき人獣共通感染症対策等の防疫対策の拠点として、アジア防疫センター等の機関を九州に設置し、九州各県とアジア各国が広域的に連携する体制を整備すべき」であると提言していましたが、藏内会長は、改めてその必要性を説くとともに、誘致の実現に向け様々な形で、国等に対する要請活動が既に始まっていること等、最近の動きについても紹介しました。

 講演後の質疑応答では、福岡県議会議員でもある当会の松本國寛理事や井上忠敏理事、そして松尾統章理事兼会計責任者が、世界的な規模での医師会と獣医師会との連携やワンヘルスの実践に向けた民間団体の動き、そしてペットの飼い主による新型コロナウイルス対策についての質疑を行うなど、基調講演は盛況のうちに終了しました。

一覧へ戻る

ページのトップへ