活動報告

新年のごあいさつ ~九州からわが国の新時代を拓く、力を蓄えるとき~(平成31年1月)

2019年01月01日 お知らせ

 新年明けましておめでとうございます。


 昨年は、7月の西日本豪雨災害や相次ぐ大型台風など、自然災害が多い年でした。改めて、犠牲者、そして被害を受けられた皆様に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 地球環境の変動や異常気象が叫ばれて久しく、自然の猛威に呆然とすることが増えましたが、それでも、私たちは、災害に備え、被害を最小限に抑えて人と動物の命を守る取組を進めていかなければなりません。

 当会では、平成26年に公表しました「九州の成長戦略に係る政策提言」において、九州における広域防災拠点の整備等を提言していましたが、昨年、当会では、世界の防災大国と言われるキューバで、全国民が行政と一体となって参加する避難・救助システム等を視察し、わが国でも、老朽化したインフラの強靭化とともにソフト面での防災・減災のシステムづくりが不可欠であることを実感しました。

 また、当会では、これまで、公益社団法人日本獣医師会や一般社団法人九州動物福祉協会と連携し、今や世界の獣医師と医師共通の理念となりました「動物の健康と人の健康、さらに環境の健康を確保する“One Health”の推進」の取組とこの理念の下に大分県九重町に開設された「九州災害時動物救援センター」の活動を支援してきました。キューバでは、やはり、この理念により、被災者の避難所には、必ず獣医師が配置され、人と動物がともに寄り添って心の被害の回復に取り組まれていると伺い、大変参考になりました。当会が目指す未来は、人と動物が共生し、誰もが生き生きと心豊かに暮らせる社会です。

 さて、今年の干支は己亥(つちのと・い)です。己は、成長を果たした人や組織が足元を固めて次の高みを目指す時期、亥は、次の世代に命を引き継いだ種の発芽に備え、エネルギーを蓄える時期と言われています。このような年に、今上天皇は、30年続いた平成の御代に自ら幕を閉じられ、次代への引き継ぎをなさいます。わが国の更なる成長発展と国民の幸福を願い、見守ろうとされている御心を思い、当会も、新しい時代の健やかな芽吹きのために、しっかりと力を蓄え、土台をつくる年となるよう取り組んでまいります。

 昨年3月公表の将来推計人口によると、九州・沖縄の人口は2015年比で2040年に192万人、2045年に245万人の減少が予想されています。また、社会のあり様(構造)も大きく変動しています。AI(人工知能)や様々なモノが情報で繋がるIOTは、人々の生活を一変させつつあります。人口減少社会は、外国人との共生を余儀なくさせています。もはや避けることができない未来ですが、変化を恐れず、むしろこの状況を次世代の幸福の糧にするべきです。

 当会に課せられた使命は、このような変化に抗うのではなく、これらの変化に伴い山積する課題に立ち向かい、これを解決する政策の提言と実現に取り組むことだと確信しています。
 そのためには、高齢者が、元気に、益々活躍することも大事ですが、若い力を育てることが喫緊の課題といえます。成長戦略を推進する力は、そこから生まれます。

 昨年、私が会長を務めています自由民主党福岡県支部連合会では、政治塾を設立し、政治の道を志す有為な人材に門戸を開き、育成する事業に着手しました。当会が政策提言していました若い起業家の育成も、九州、そして我が国の成長発展には不可欠です。新しい時代を拓く若い政治家、そして企業家の成長に、是非とも皆様のお力添えをお願いいたします。

 今秋、いよいよ「ラグビーワールドカップ2019」が開催され、九州でも、福岡と熊本、そして大分で、大変見応えのある組み合わせの試合が行われるとともに、長崎や宮崎、沖縄が公式事前キャンプ地に内定しています。観戦のために訪日する外国人客は40万人、スタジアム観戦者は180万人、そして経済波及効果は4,372億円と予測される一大イベントです。また、6月には、福岡で、G20の財務相・中央銀行総裁会議が開催されます。

 九州には、宗像沖ノ島をはじめ、自然及び文化の世界遺産が多数あり、新たに長崎・天草のキリシタン関連遺産も加わりました。世界の目が我が国に向けられるこの絶好の機会を逃さず、これらの観光資源を活かした広域的な周遊型観光と九州の優れた食、酒、物産の魅力を発信していかなければなりません。

 当会は、このような思いで、さらに研鑽を重ねてまいります。会員はじめ九州の政財界の皆様、そして関係行政機関の皆様には、引き続き、当会の活動へのご理解とご支援を賜りますようお願いを申し上げ、本年が皆様にとって大きな飛躍の年となりますことを祈念いたしまして、年頭のご挨拶といたします。

  平成31年1月吉日

  九州の自立を考える会 会長 藏内 勇夫

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